番外編 クラス会議

 

 

 

 

時は逆のぼって。

 

3−2では、

 

「さて、清原はどうでもいいにしても・・・だ。」

 

「えぇ、問題は氷見院さんね?」

 

「もうやめようぜ、あの2人のことについて話すのはさぁ。」

 

氷見院く・・・さんが出て行ってから教室は前々から噂されていた清原・氷見院カップルの事について話し合われています。

 

あ、申し遅れました。僕は3−2書記の島田健太(しまだ けんた)という者です。

 

趣味はカップルの研究です!

 

というわけで、僕もこの話し合いに参加しているわけですが、ホント今更なんですよ。

 

このクラスになる以前から彼等は付き合っていたという噂がありました。

 

事実、本当ですけど、時代は流れています。

 

今月(6月)に入ってからこのクラスで新たに付き合いだしたペアもいますし、隣のクラスが相手という方もいます。

 

例えば、窓際の列の前から2番目に座っている月河泉(つきかわ いずみ)さんは3組の荒田良二(あらた りょうじ)君と付き合っ

ています。デートはもうすでに2回やっています。

 

我が同士、永倉康弘(ながくら やすひろ)君の情報によりますと、2回目のデートで遊園地の観覧車の中でキスをしていたとの情

報が入っています。

 

僕は永倉君に「そこまでやるな!!」とボコボコにしてやりましたので、もうこんなことは起きないでしょう。

 

話がそれてしまいましたが・・・あぁ、そうそう氷見院さんのことでしたね。

 

僕達の情報力を駆使しても今日まで氷見院柳さんが女だったという事がわかりませんでした。つまり、○モ説が有力だと思ってい

たわけです。

 

ですから、清原君には光る所があります。

 

僕は今度彼をスカウトしてみようと思っております。

 

そうしたら、この学校での情報収集力では右に出る者はいなくなるでしょう。あははは

 

「おい、島田、さっきから何ブツブツ言ってんだよ? さっき言ったこと全部写したか?」

 

「無論です、山南クラス委員長殿! 一字一句間違えずにメモしました。」

 

「うむ、ご苦労。して、島田はどう思う? 彼等を応援するという案は。」

 

僕はめがねのズレを直しながら、

 

「僕としては余計なことはかえって邪魔にしかならないと思います。ここは暖かく見守ってあげるのが得策です。何せ片割れは108つの技を持つ“鮮血の拳”と呼ばれたお方です。下手に邪魔するとかえって我々の命が危ないです。現に私の同士、永倉君も何度か命を奪われそうになっていますからね。」

 

クラスからは「おぉ〜」という歓声があがりました。

 

納得していただいたと解釈します。

 

「そ、それもそうだな。わかった。みんなはどう思う?」

 

「まぁ、島田が言うならなぁ〜。」

 

「確かにそれが一番かもね!」

 

「俺は明日、氷見院さんにアタックをかける!」

 

「殺されたいの?」

 

「でも、出て行く前に言った時の喋り方・・・やっぱ女なんだよなぁ〜。」

 

後半部分は好き勝手な話題になってましたけど、これにてクラス会議は終了。

 

明日清原君が元に戻っていたらアタックをかけてみようと思います。

 

さて、楽しみ楽しみ。

 

 

 

 

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