6話 姐さんに何やら事件です。

 

 

 

 

翌週月曜日。

 

「姐さん、Good morning! 今日の姐さんは究極・び」

 

「竜輔、助けろ!」

 

突如訪れた転機。なんと姐さんから俺に抱きついてきた!

 

あぁ、俺もついにラブラブ街道まっしぐらってかぁ?

 

とか言ってるうちに、

 

「ね、姐さん、胸が胸があぁ・・・」

 

「はっ、つい意識があっちの方に逝ってしまった。しかし、今日ほどお前に会いたいと思ったことはない。実は相談があってだな・・・ってお前まず鼻血拭け!」

 

「う〜ん、姐さんのダイナマイトボディに今日もメロメロぉ〜。(ぐったり)」

 

「・・・相手を間違えたかもな。」

 

 

それから暫くして。

 

「最重要任務だ。本当は不本意なんだが、こうも言ってられん。単刀直入に言うぞ! 親父に会ってくれ! というか会え!(命令形)」

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

は!? 今なんと仰いましたか? もう一度お願いします。

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

い、いや、そこより前ですから。

 

「こうも言ってられん。単刀直入に言うぞ!」

 

えっと、その次っすその次!

 

「親父に会ってくれ! というか会」

 

一応確認しときますが、親父ってばあれですよね? つまり姐さんのお父様ですよね?

 

「ま、まぁ、そんなとこだ。」

 

「つまりですよ、俺が姐さんのお父様に会って、“お嬢さんをください!”的な事を言えと?

 

やだなぁ、姐さん。そうならそうと早く言ってくれたら良かったのに〜。俺の方はいつでもOKだったんブホッ」

 

「だぁ〜れがお前に貰ってくれなんて言ったんだ!」

 

本日の一発目は顎に○ュウや△ンもビックリな激烈アッパー。

 

日々進化している姐さんの愛の鉄槌にも惚れたぜ!

 

「ふむふむ、なるほど! つまり政略結婚って奴ですな? そいで、それが嫌だから、断る口実に“カレシがいる”という事を使う。そして、その為にはそのカレを連れてくる必要がある・・・って感じですかねぇ?」

 

殴られた顎を摩りながら確認してみる。

「知ってたんなら聞き返す必要もなかったと思うが・・・って、てめぇ、まだ話してもない事をなんで知ってんだよ!?」

 

「いやなに、昨夜、姐さんの家に“渡辺先生から購入した聴診器”を当ててたら、そんな事を言っておったのを聞きましてなぁ。」

 

ほわほわと俺の武勇伝(?)を語りながら、懐から聴診器を取り出してみせる。

 

「さあて、“地獄への片道切符”と“モケモケ室の入場券”、どちらがお好みですかぁ〜〜〜?」

 

「え、えっと、“姐さんの寝室のフリーパ」

 

「死にさらせぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

 

空高く舞い上がる俺。

 

あぁ、今日の空も姐さんのように綺麗だ。

 

ちなみに今放たれたのは、姐さんにしてはレトロな技、『メガ○子タイフーン』!

 

メガ○子的な力を一気に解放して、とにかく空中に殴り飛ばすというもの。気力150で熱血(魂)、閃き、必中、直撃等を使わずともダメージ10万越えは期待できる大技である。大介パパ(勝手に命名)に使ったのもこの技だ。(第2章より)

 

 

かくして、星になった高校生、清原竜輔。彼の武勇伝はその後多くの人々に語り継がれたと言う。

 

 

余談だが、

 

「おぉ〜、今日もよく飛んでるなぁ。真由美も見てみなよ。ほら、まだ宙に浮いてる。」

 

「・・・それよりお兄ちゃん、目線を下に向けたほうが、というより逃げたほうが良くない?」

 

「ん? はっ!? い、行くぞ、真由美!」

 

「うん!」

 

通りすがりの高校生兄妹は自分達の身の危険を感じてか一目散に逃げ出した。

 

視線の先には鬼と化した柳が聴診器のような物を片手で握り潰していたとさ。

 

 

 

 

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